From 5d909e1fc20773b48f04a3f20510f0206be0981f Mon Sep 17 00:00:00 2001 From: Christian Perrier Date: Sun, 19 Feb 2006 17:42:12 +0000 Subject: Japanese manpages translation update --- doc/ja/apt_preferences.ja.5.xml | 940 ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ 1 file changed, 940 insertions(+) create mode 100644 doc/ja/apt_preferences.ja.5.xml (limited to 'doc/ja/apt_preferences.ja.5.xml') diff --git a/doc/ja/apt_preferences.ja.5.xml b/doc/ja/apt_preferences.ja.5.xml new file mode 100644 index 000000000..a7e63a961 --- /dev/null +++ b/doc/ja/apt_preferences.ja.5.xml @@ -0,0 +1,940 @@ + + +%aptent; + +]> + + + + + &apt-author.team; + &apt-email; + &apt-product; + + 29 February 2004 + + + + apt_preferences + 5 + + + + + apt_preferences + + APT 設定制御ファイル + + + + +説明 + +APT 設定ファイル /etc/apt/preferences は、 +インストールするパッケージのバージョン選択を制御するのに使用します。 + + +&sources-list; ファイルに複数のディストリビューション +(stabletesting など) +が指定されていて、 +パッケージに対し複数のバージョンがインストールできることがあります。 +このとき APT は、利用できるバージョンごとに優先度を割り当てます。 +依存関係規則を条件として、apt-get は、 +最も高い優先度を持つバージョンをインストールするよう選択します。 +APT 設定ファイルは、APT がデフォルトで割り当てた、 +パッケージのバージョンの優先度を上書きします。 +その結果、インストールするものの選択を、ユーザが選択できるようになります。 + + +&sources-list; ファイルに複数の参照が書かれている場合、 +パッケージの同じバージョンのインスタンスが複数利用できる可能性があります。 +この場合、apt-get は &sources-list; +ファイルの初めの方に指定されているところからダウンロードします。 +APT 設定ファイルは、バージョンの選択にのみ影響し、 +インスタンスの選択には影響しません。 + + +APT のデフォルト優先度の割り当て + + +設定ファイルがなかったり、 +設定ファイルに、特定のパッケージを割り当てるエントリがない場合、 +そのバージョンの優先度は、 +そのバージョンが属しているディストリビューションの優先度となります。 +デフォルトで他のディストリビューションより高い優先度を持つ、 +特定のディストリビューションを「ターゲットリリース」としておくのは可能です。 +ターゲットリリースは、apt-get のコマンドラインで設定したり、 +APT 設定ファイル /etc/apt/apt.conf で設定したりできます。 +例えば以下のようになります。 + + +apt-get install -t testing some-package + + +APT::Default-Release "stable"; + + + + +ターゲットリリースが指定されると、APT は以下のアルゴリズムで、 +パッケージのバージョンの優先度を設定します。このように割り当てます。 + + + + +優先度 100 + +(あるならば) 既にインストールされているバージョン。 + + + + +優先度 500 + +インストールされておらず、ターゲットリリースに含まれないバージョン。 + + + + +優先度 990 + +インストールされておらず、ターゲットリリースに含まれるバージョン。 + + + + + +ターゲットリリースが指定されていなければ、 +APT は単純にインストールしているパッケージのバージョンには 100 を、 +インストールしていないパッケージのバージョンには 500 を割り当てます。 + + +APT は、インストールするパッケージのバージョンを決定するために、 +以下のルールを上から順番に適用します。 + + +有効なバージョンの優先度が 1000 を越えない場合、 +決してダウングレードしません。 +(「ダウングレード」は、現在のパッケージのバージョンよりも、 +小さいバージョンのものをインストールします。 +APT のデフォルト優先度が 1000 を越えないことに注意してください。 +そのような優先度は設定ファイルでのみ設定できます。 +また、パッケージのダウングレードは危険であることにも注意してください) + +最も高い優先度のバージョンをインストールします。 + +同じ優先度のバージョンが複数存在する場合、 +最も新しいもの (最もバージョン番号が高いもの) をインストールします。 + +優先度・バージョン番号が同じものが複数存在し、 +そのパッケージのメタデータが異なるか --reinstall +オプションが与えられている場合、 +インストールされていないものをインストールします。 + + + + +よくある状況として、 +あるインストールされているパッケージのバージョン (優先度 100) が、 +&sources-list; ファイルのリストから得られるバージョン (優先度 500 か 990) +よりも新しくないということがあります。この場合、 +apt-get install some-package +や apt-get upgrade を実行するとパッケージが更新されます。 + + + +まれに、インストールされているパッケージのバージョンが、 +他の有効なバージョンよりも新しい場合があります。 +この時 +apt-get install some-package +や apt-get upgrade を実行しても、 +ダウングレードしません。 + + +時々、インストールしているパッケージのバージョンが、 +ターゲットリリースに属するバージョンよりも新しく、 +他のディストリビューションよりも古い場合があります。 +そのようなパッケージに対して +apt-get install some-package +や apt-get upgrade を実行すると、 +パッケージは更新されます。 +この場合、インストールされているバージョンよりも、 +少なくともひとつは、 +高い優先度を持つ有効なパッケージがあるからです。 + + + +APT 設定の効果 + + +APT 設定ファイルを使うと、 +システム管理者が優先度を割り当てられるようになります。 +ファイルは、空白行で区切られた、複数行からなるレコードで構成されています。 +レコードは特定形式か、汎用形式のどちらかの形式をとります。 + + + +特定形式は、優先度 ("Pin-Priority") を、 +指定したパッケージの指定したバージョン (範囲) について割り当てます。 +例えば以下のレコードは、 +"5.8" で始まる perl パッケージを、 +高い優先度に設定します。 + + +Package: perl +Pin: version 5.8* +Pin-Priority: 1001 + + + + +汎用形式は、与えられたディストリビューションにある、 +すべてのパッケージ (Release ファイルに列挙したパッケージ) +の優先度や、FQDNで指定した、 +特定のインターネットサイトから取得するパッケージの優先度を割り当てます。 + + +APT 設定ファイルに書かれている汎用形式のエントリは、 +パッケージのグループについてのみ適用されます。 +例えば以下のレコードは、ローカルサイトにある全パッケージについて、 +高い優先度を割り当てます。 + + +Package: * +Pin: origin "" +Pin-Priority: 999 + + + +注: ここで使用しているキーワードは "origin" です。 +Release ファイルに指定されたような、 +ディストリビューションの Origin と混同しないようにしてください。 +Release ファイルにある "Origin:" タグは、 +インターネットアドレスではなく、 +"Debian" や "Ximian" といった作者やベンダ名です。 + + +以下のレコードは、アーカイブ名が "unstable" +となっているディストリビューションに属するパッケージを、 +すべて低い優先度に割り当てます。 + + +Package: * +Pin: release a=unstable +Pin-Priority: 50 + + + +以下のレコードは、アーカイブ名が "stable" で、 +リリースバージョン番号が "3.0" +となっているリリースに属するパッケージを、 +すべて高い優先度に割り当てます。 + + +Package: * +Pin: release a=stable, v=3.0 +Pin-Priority: 500 + + + + + + + + + +APT が優先度に割り込む方法 + + + +APT 設定ファイルで割り当てた優先度 (P) は、正負の整数でなくてはなりません。 +これは (おおざっぱにいうと) 以下のように解釈されます。 + + + +P > 1000 + +パッケージがダウングレードしても、このバージョンのパッケージをインストールします。 + + +990 < P <=1000 + +インストールされているバージョンの方が新しいことを除き、 +ターゲットリリースに含まれなくても、 +このバージョンのパッケージをインストールします。 + + +500 < P <=990 + +ターゲットリリースに属するバージョンがあったり、 +インストールされているバージョンの方が新しいのでなければ、 +このバージョンのパッケージをインストールします。 + + +100 < P <=500 + +他のディストリビューションに属するバージョンがあったり、 +インストールされているバージョンの方が新しいのでなければ、 +このバージョンのパッケージをインストールします。 + + +0 < P <=100 + +このパッケージがインストールされていない場合、 +このバージョンのパッケージをインストールします。 + + +P < 0 + +このバージョンがインストールされないようにします。 + + + + + +特定形式のレコードが利用可能パッケージバージョンに一致した場合、 +最初のレコードが、パッケージバージョンの優先度を決定します。 +失敗して、汎用形式のレコードが利用可能パッケージバージョンに一致した場合、 +最初のレコードが、パッケージバージョンの優先度を決定します。 + + +例えば、APT 設定ファイルの上の方に、 +以下のレコードが書かれていると仮定してください。 + + +Package: perl +Pin: version 5.8* +Pin-Priority: 1001 + +Package: * +Pin: origin "" +Pin-Priority: 999 + +Package: * +Pin: release unstable +Pin-Priority: 50 + + + +すると、 + + +バージョン番号が "5.8" で始まっていれば、 +perl の最新の利用可能パッケージがインストールされます。 +バージョン 5.8* が利用可能で、バージョン 5.9* がインストールされている場合、 +perl はダウングレードされます。 + +ローカルシステムで有効な、 +perl 以外のどんなパッケージでも、 +他のバージョンより (たとえターゲットリリースに属していても) 優先度が高くなります。 + + +ローカルシステムにはなくても &sources-list; +に列挙されたサイトにあるバージョンで、 +unstable ディストリビューションに属しているパッケージは、 +インストールするよう選択され、 +既にインストールされているバージョンがない場合にのみインストールされます。 + + + + + + + +パッケージのバージョンとディストリビューションプロパティの決定 + + +&sources-list; ファイルに列挙した場所では、 +その場所で利用できるパッケージを記述した、 +Packages ファイルや +Release ファイルを提供します。 + + +Packages ファイルは通常 +.../dists/dist-name/component/arch +ディレクトリにあります。 +例えば、.../dists/stable/main/binary-i386/Packages です。 +これは、ディレクトリにある利用可能パッケージごとに、 +複数行のレコードからできています。 +APT 優先度の設定は、レコードごとに以下の 2 行だけです。 + + + +Package: +パッケージ名を与えます。 + + + +Version: +その名前のパッケージのバージョン番号を与えます。 + + + + + +Release ファイルは、通常 +.../dists/dist-name +にあります。例えば、 +.../dists/stable/Release, +.../dists/woody/Release です。 +これは、このディレクトリ以下にあるパッケージに適用する、 +複数行のレコード 1 つから成っています。 +Packages と違い Release ファイルは、 +ほとんどの行が APT 優先度の設定に関連します。 + + + + +Archive: + +このディレクトリツリーに属する全パッケージのアーカイブ名。 +例えば、 +"Archive: stable" +という行は、Release ファイルの親ディレクトリツリー以下にある全パッケージが、 +stable アーカイブだと指定します。 +APT 設定ファイルでこの値を指定するには、以下の行が必要になります。 + + +Pin: release a=stable + + + + + + +Version: + +リリースバージョン名。 +例えば、このツリーのパッケージが、 +GNU/Linux リリースバージョン 3.0 に属するとします。 +通常 testing ディストリビューションや +unstable ディストリビューションには、 +まだリリースされていないので、バージョン番号が付きません。 +APT 設定ファイルでこれを指定するには、以下の行のいずれかが必要になります。 + + + +Pin: release v=3.0 +Pin: release a=stable, v=3.0 +Pin: release 3.0 + + + + + + + +Component: + +Release ファイルの、 +ディレクトリツリーにあるパッケージのライセンスコンポーネント名。 +例えば、"Component: main" という行は、このディレクトリ以下の全ファイルが、 +main コンポーネント +(Debian フリーソフトウェアガイドラインの元でライセンスされている) +であることを表します。 +APT 設定ファイルでこのコンポーネントを指定するには、以下の行が必要になります。 + + +Pin: release c=main + + + + + + +Origin: + +Release ファイルのディレクトリツリーにあるパッケージの提供者名。 +ほとんど共通で、Debian です。 +APT 設定ファイルでこの提供者を指定するには、以下の行が必要になります。 + + +Pin: release o=Debian + + + + + + +Label: + +Release ファイルのディレクトリツリーにあるパッケージのラベル名。 +ほとんど共通で Debian です。 +APT 設定ファイルでこのラベルを指定するには、以下の行が必要になります。 + + +Pin: release l=Debian + + + + + + + +&sources-list; ファイルに列挙された場所から取得した +Packages ファイルや +Release ファイルはすべて、 +/var/lib/apt/lists ディレクトリや、 +apt.conf ファイルの +Dir::State::Lists 変数で指定した場所に取得されます。例えば、 +debian.lcs.mit.edu_debian_dists_unstable_contrib_binary-i386_Release ファイルは、 +debian.lcs.mit.edu から取得した、 +unstable ディストリビューションで、 +contrib コンポーネントな、 +binary-i386 アーキテクチャ用の +Release ファイルを含んでいます。 + + + + +APT 設定レコードのオプション行 + + +APT 設定ファイルのレコードごとに、 +任意で Explanation: で始まる行を持てます。 +これは、コメント用の場所を確保します。 + + +APT 設定レコードの Pin-Priority: 行は任意です。 +省略すると、Pin-Priority: release ... +で始まる行で指示した最後の値 (少なくとも1つ) を優先度に割り当てます。 + + + + + +サンプル + + +安定版を追跡 + + +以下の APT 設定ファイルは、stable +ディストリビューションに属する全てのパッケージのバージョンに、 +デフォルト (500) より高い優先度を割り当て、 +他の Debian +ディストリビューションのパッケージのバージョンには、 +低くてインストールできないような優先度を割り当てます。 + + +Explanation: Uninstall or do not install any Debian-originated +Explanation: package versions other than those in the stable distro +Package: * +Pin: release a=stable +Pin-Priority: 900 + +Package: * +Pin: release o=Debian +Pin-Priority: -10 + + + + +適切な &sources-list; ファイルと上記の設定ファイルにより、 +以下のコマンドで最新の stable +バージョンにアップグレードできます。 + + +apt-get install package-name +apt-get upgrade +apt-get dist-upgrade + + + + +以下のコマンドで、指定したパッケージを testing +ディストリビューションの最新バージョンにアップグレードします。 +このパッケージは、再度このコマンドを発行しないとアップグレードされません。 + + +apt-get install package/testing + + + + + + + テスト版や不安定版を追跡 + + +以下の APT 設定ファイルは、testing +ディストリビューションのパッケージのバージョンに高い優先度を割り当て、 +unstable +ディストリビューションのパッケージのバージョンには低い優先度を割り当てます。 +また他の Debian +ディストリビューションのパッケージのバージョンには、 +低くてインストールできないような優先度を割り当てます。 + + +Package: * +Pin: release a=testing +Pin-Priority: 900 + +Package: * +Pin: release a=unstable +Pin-Priority: 800 + +Package: * +Pin: release o=Debian +Pin-Priority: -10 + + + + +適切な &sources-list; ファイルと上記の設定ファイルにより、 +以下のコマンドで最新の testing +バージョンにアップグレードできます。 + + +apt-get install package-name +apt-get upgrade +apt-get dist-upgrade + + + + +以下のコマンドで、指定したパッケージを unstable +ディストリビューションの最新バージョンにアップグレードします。 +それ以降、apt-get upgrade は +testing バージョンのパッケージが更新されていれば +testing の最新版に、 +unstable バージョンのパッケージが更新されていれば +unstableの最新版にアップグレードします。 + + +apt-get install package/unstable + + + + + + + + +関連項目 +&apt-get; &apt-cache; &apt-conf; &sources-list; + + + + &manbugs; + &translator; + + + -- cgit v1.2.3