%aptent; ]> &apt-author.jgunthorpe; &apt-author.team; &apt-email; &apt-product; 29 February 2004 apt-cache 8 apt-cache APT パッケージ操作ユーティリティ -- キャッシュ操作 apt-cache add file gencaches showpkg pkg showsrc pkg stats dump dumpavail unmet search regex show pkg depends pkg rdepends pkg pkgnames prefix dotty pkg policy pkgs madison pkgs 説明 apt-cache は APT のパッケージキャッシュに対して、 さまざまな操作を行います。 apt-cache は、システム状態の操作は行いませんが、 パッケージのメタデータより検索したり、 興味深い出力を生成するといった操作を提供します。 オプションや オプションを除き、 以下に挙げるコマンドが必要です。 add file(s) add は、 パッケージキャッシュに指定したパッケージインデックスファイルを追加します。 デバッグ専用です。 gencaches gencaches は、 apt-get check と同じ動作を提供します。 これは &sources-list; 内の取得元と /var/lib/dpkg/statusから、 ソースとパッケージのキャッシュを構築します。 showpkg pkg(s) showpkg は、 コマンドライン上に列挙したパッケージの情報を表示します。 後に続く引数はパッケージ名となります。 各パッケージについて、有効なバージョンと被依存関係を列挙し、 さらにその各バージョンについて依存関係を表示します。 (通常の) 依存関係とは、対象のパッケージが依存しているパッケージを指します。 また、被依存関係とは、対象のパッケージに依存しているパッケージを指します。 従って、パッケージの依存関係は満たさなければなりませんが、 被依存関係は満たす必要はありません。 実例として、以下に apt-cache showpkg libreadline2 の 出力を掲げます。 Package: libreadline2 Versions: 2.1-12(/var/state/apt/lists/foo_Packages), Reverse Depends: libreadlineg2,libreadline2 libreadline2-altdev,libreadline2 Dependencies: 2.1-12 - libc5 (2 5.4.0-0) ncurses3.0 (0 (null)) Provides: 2.1-12 - Reverse Provides: つまり、libreadline2 の version 2.1-12 は、 libc5 と ncurses3.0 に依存していて、libreadline2 が動作するには、 これらをインストールする必要があるということが判ります。 一方、libreadlineg2 と libreadline2-altdev は libreadline2 に依存しています。 libreadline2 をインストールするためには、libc5, ncurses3.0, ldso を すべてインストールしなければなりませんが、libreadlineg2 と libreadline2-altdev はインストールする必要はありません。 出力の残りの部分の意味については、 apt のソースコードを調べるのが最良でしょう。 statsstats はキャッシュについての統計情報を表示します。 それ以上、引数は必要ありません。以下の統計情報を表示します。 パッケージ名総数は、 キャッシュに存在するパッケージ数を表します。 通常パッケージは、 公式の普通のパッケージ数を表します。 これは、他のパッケージの依存関係で使用された名称で、それが一対一に対応 するパッケージです。 大多数のパッケージはこのカテゴリに入ります。 純粋仮想パッケージは、 仮想パッケージ名としてのみ存在するパッケージ (仮想パッケージ名のみを「提供」し、 実際にはいかなるパッケージもその名称を持たない) の数を表します。 例えば、Debian GNU/Linux システムでは "mail-transport-agent" は純粋仮想パッケージです。 "mail-transport-agent" を提供するパッケージはいくつもありますが、 "mail-transport-agent" という名称のパッケージはありません。 単一仮想パッケージは、 特定の仮想パッケージ名を提供するパッケージが、 ただ一つの場合の数を表します。 例えば、Debian GNU/Linux システムでは、"X11-text-viewer" は仮想パッケージですが、"X11-text-viewer" を提供するパッケージは、 xless パッケージのみということです。 複合仮想パッケージは、 その仮想パッケージ名を提供するパッケージが複数あるか、 またパッケージ名と同じ仮想パッケージ名を持つパッケージ数を表します。 例えば、Debian GNU/Linux システムでは、 debconf は実際のパッケージ名でもありますが、 debconf-tiny によって提供もされています。 欠落は、依存関係中には存在するのに、 どのパッケージにも提供されていないパッケージ名の数を表します。 このパッケージがあるということは、 全ディストリビューションにアクセスできていないか、 (実ないし仮想) パッケージがディストリビューションからはずされてしまった可能性もあります。 通常では、構文が矛盾するとこのようになります。 個別バージョン総数は、 キャッシュに存在するパッケージのバージョンの数を表します。 そのため、この値は最小でもパッケージ名総数と一致します。 もし複数のディストリビューション (例 "stable" と "unstable" の両方) を利用した場合、 この値はパッケージ名総数よりもかなり大きい数になります。 依存関係総数は、 キャッシュにあるすべてのパッケージで要求された依存関係の数です。 showsrc pkg(s) showsrc は、 指定したパッケージ名に一致するソースパッケージを、すべて表示します。 バイナリになるときの名称を宣言したレコードと同様に、 すべてのバージョンについて表示します。 dump dump は、 キャッシュ内のパッケージそれぞれについて、短い一覧を表示します。 主にデバッグ用です。 dumpavail dumpavail は、 標準出力に利用可能なものの一覧を出力します。 &dpkg; と共に使用すると便利ですし、 &dselect; でも使用されます。 unmet unmet は、 パッケージキャッシュ内にある、 不適当な依存関係の概要を表示します。 show pkg(s) show は、 dpkg --print-avail と同様の機能を実行します。 これは、指定したパッケージのパッケージレコードの表示です。 search regex [ regex ... ] search は、与えられた正規表現によって、 すべての利用可能なパッケージに対して全文検索を行います。 パッケージ名と説明に対して検索を行い、 パッケージ名と短い説明文を表示します。 が与えられた場合、マッチしたパッケージに対し show と同じ情報を出力します。 が与えられた場合は、 説明文に対して検索を行わず、パッケージ名に対してのみ対象とします。 空白で区切った引数で、 複数の検索パターンの and をとることができます。 depends pkg(s) depends は、 パッケージが持っている依存関係と、 その依存関係を満たす他のパッケージの一覧を表示します。 rdepends pkg(s) rdepends は、 パッケージが持つ被依存関係を一覧表示します。 pkgnames [ prefix ] このコマンドは、 システムでの各パッケージの名称を表示します。 オプションの引数により、取得する一覧より先頭一致で抽出することができます。 この出力はシェルのタブによる補完機能に使いやすく、 また非常に速く生成されます。 このコマンドは オプションと共に使用すると、 非常に便利です。 dotty pkg(s) dotty は、 コマンドライン上のパッケージ名から、 GraphViz パッケージの dotty コマンドで利用するのに便利な出力を生成します。 結果はパッケージの関係を表わす、ノード・エッジのセットで表現されます。 デフォルトでは、すべての依存パッケージをトレースするので、 非常に大きい図が得られます。 これは、APT::Cache::GivenOnly オプションを設定して解除できます。 結果のノードは数種の形状をとります。 通常パッケージは四角、純粋仮想パッケージは三角、複合仮想パッケージは菱形、 六角形は欠落パッケージをそれぞれ表します。 オレンジの四角は再帰が終了した「リーフパッケージ」、青い線は先行依存、 緑の線は競合を表します。 注意) dotty は、 パッケージのより大きなセットのグラフは描けません。 policy [ pkg(s) ] policy は、 設定ファイル関係の問題について、デバッグを支援します。 引数を指定しなかった場合、取得元ごとの優先順位を表示します。 一方、パッケージ名を指定した場合、 優先順の詳細情報を表示します。 madison /[ pkg(s) ] apt-cachemadison コマンドは、Debian アーカイブ管理ツール madison の機能のサブセットで、出力フォーマットを真似ようとします。 パッケージの利用可能バージョンを表形式で表示します。 オリジナルの madison と違い、 APT がパッケージ一覧を検索したアーキテクチャ (APT::Architecture) の情報を表示するだけです。 オプション &apt-cmdblurb; パッケージキャッシュを格納するファイルを選択します。 パッケージキャッシュは、すべての操作で使用される一次キャッシュです。 設定項目 - Dir::Cache::pkgcache ソースキャッシュを格納するファイルを選択します。 このソースキャッシュは gencaches でのみ使用され、 ここに解析された取得元のパッケージ情報が格納されています。 パッケージキャッシュを構築する際に、ソースキャッシュは、 全パッケージファイルを再解析を避ける上で便利です。 設定項目 - Dir::Cache::srcpkgcache 静粛 - 進捗表示を省略し、 ログをとるのに便利な出力を行います。 最大 2 つまで q を重ねることでさらに静粛にできます。 また、 のように静粛レベルを指定して、 設定ファイルを上書きすることもできます。 設定項目 - quiet 「重要」依存関係のみ表示 - unmet と共に使用します。 これは「依存」関係と「先行依存」関係のみを表示するためです。 設定項目 - APT::Cache::Important search 時に全パッケージレコードを表示します。 設定項目 - APT::Cache::ShowFull 全利用可能バージョンのレコード全体を表示します。 これはデフォルトの動作で、 無効にするには を使用してください。 を指定すると、 候補バージョン (インストールの際に選択されるもの) だけ表示します。 このオプションは、show コマンドでのみ適用できます。 設定項目 - APT::Cache::AllVersions そのままキャッシュを使用するのではなく、 自動的にパッケージキャッシュを再生成します。これはデフォルトの動作で、 無効にするには を使用してください。 設定項目 - APT::Cache::Generate 説明文ではなく、パッケージ名からのみ検索します。 設定項目 - APT::Cache::NamesOnly pkgnames で、 仮想パッケージや欠落依存関係を含めた全名称を表示します。 設定項目 - APT::Cache::AllNames dependsrdepends で、指定した全パッケージを再帰的に一度に表示します。 設定項目 - APT::Cache::RecurseDepends dependsrdepends の出力を、 現在インストールされているパッケージに限定します。 設定項目 - APT::Cache::Installed &apt-commonoptions; ファイル /etc/apt/sources.list パッケージの取得元。 設定項目 - Dir::Etc::SourceList &statedir;/lists/ &sources-list; に指定した、 パッケージリソースごとの状態情報格納エリア。 設定項目 - Dir::State::Lists &statedir;/lists/partial/ 取得中状態情報格納エリア。 設定項目 - Dir::State::Lists (必然的に不完全) 関連項目 &apt-conf;, &sources-list;, &apt-get; 診断メッセージ apt-cache は正常終了時に 0 を返します。 エラー時には十進の 100 を返します。 &manbugs; &translator;